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イガラシイッセイです。無口の反動は日記に表れます。
by polisan
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CHOP-ME-NOT DIARY
『シルクロード・路上の900日』
ここしばらく、寸暇を惜しんでむさぼるように読んでいた本があります。
『シルクロード・路上の900日』という、中国の西安からイタリアのローマまで2年半歩いて旅をした方が、7年の歳月をかけて書き上げた紀行文です。


シルクロード・路上の900日―西安・ローマ1万2000キロを歩く

大村 一朗 / めこん




これがものすごくおもしろかったのです。

ガイドブックのように現地の紹介に終始するわけでもなく、日本との文化の違いを単純な笑い話にしてしまうわけでもありません。独りで歩いている時の自分の内面に生じた思いや考えについて正直に書き、また人とふれあう時に生まれた小さなドラマについて疎漏なく大事に描きます。訪れた地域について描写する際も、ジャーナリストを志望していたというだけあって歴史や情勢とともにきちんと詳しく説明されています。それらが著者の主観を通して一定の温度、一定のリズムで語られますので、地に足のついた感じがして安心して読めるのです。

この一定のリズム、地に足のついた感じというものは、やはり著者が「徒歩」で旅をしたことと切り離すことはできないのではないかと思います。

飛行機に乗ってしまえば、地球の裏側に行くのにも1日程度しかかかりません。その移動中に感じるべき距離感は大幅にそぎ落とされ、なかなか地球の裏側まで来たと実感しづらいでしょう。電車でも車でも、遠いと思っていた場所に数時間で着いて「案外近いんだな」と感じますし、自転車でさえも風を切って思いのほか遠くまで移動できてしまいます。

しかしこの著者の大村さんは歩くことを選択したことで、全てが現地の人々の生活時間と同じ速度で感じられます。圧縮も間引きもなく、日常生活と同じ濃度で、全編ノーカットで旅の経験が積み上げられるのです。一歩一歩踏みしめて歩くことで12000kmという距離を確実に自分のものにしています。途中で見たもの、会った人、考えたことが全部ひと続きでつながっています。これってすごいよなあ。


で、

本の内容自体が面白いこともさることながら、これほど私が読むことに没頭してしまったのは、思いっきり感情移入してしまったからという面もあります。著者の大村さんにシンパシーを感じてしまったのです。彼はこう書いています。

振り返れば、学業もスポーツも何一つ極めたことのない、中途半端で凡庸な半生がそこにある。底抜けな楽しさも、地獄のような苦しみも、果たして味わったことがあっただろうか。そう考えると、自分の内面にはよりどころとなるようなものが何もないことに気付いたのです。


そして彼は切実に「突き抜けたい」と思ったのでしょうね。その手段が徒歩でシルクロードを踏破することだったのですね。やむにやまれぬ事情で乗り物による移動を余儀なくされた場合は、必ずその地点まで戻って徒歩を再開する徹底ぶりです。自分を律して真摯に取り組む様は美しいです。突き抜けています。なんだかすごく勇気づけられた気がします。

いやー、読んでよかった!
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by polisan | 2009-11-18 01:39 |
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