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イガラシイッセイです。無口の反動は日記に表れます。
by polisan
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CHOP-ME-NOT DIARY
思いつきで熊本行(後編)
こちらの続きです。

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おはようございます


早朝に宿を出た私は、黒川温泉へ行くバスに乗るため、交通センターに向かいました。
前日の熊本市内観光は付録のようなものでして、本命はこの黒川温泉なのです。熊本市内はガチでノープランでしたが、こちらはバスの予約を去年のうちから取っておくという念の入れようだったのです。

しかしバスに乗って驚いたのは、乗客が自分を含めて3人しかいなかったことです。満席で座れなかったらどうしようと心配して予約していたのに…。
平日だから少ないにしても、観光地へ向かうバスってそんなにガラガラなものなのでしょうか。この時点でかなり不安になってきました。

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それでもバスは阿蘇の山々を縫うように走ります


だいたい乗車時間は2時間強であり、阿蘇の雄大な景色を見ていたらだんだん不安は薄らいでいきました。車内に流れる観光案内テープが歌謡曲のような「やまなみハイウェイの歌」を歌う頃にはうきうきしてきて、ボルテージの上昇速度が速過ぎたのか、突然鼻血が出てしまいました(※マジです)。慌ててティッシュを探してカバンを漁りながら、心配なのは自分の身体だな、と思いました。


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ほどなく黒川温泉に到着です


指を血で赤く染めたまま私はバスを降りました。黒川温泉には大雪の余韻が残っており、その冬の風情に俄然テンションが上がりました。ここでバスを単独で下りた男性がもう一人おり、心の中で「一人旅の同志よ!」と親近感を寄せましたが、待ち合わせをしていたようですぐに女性と合流していました。少し心がしくっとしました。

ところで、黒川温泉にはひとつの特徴があります。それがこれです。

思いつきで熊本行(後編)_d0018714_0423788.jpg
入湯手形


この手形を1枚1200円で購入しますと、3か所まで好きな宿の温泉に入ることができるのです。つまり1か所400円です、計算できましたか?
もちろん2枚買えば6か所に入ることができますが、バス内の案内テープもその辺の張り紙も「1日3回を超えて温泉に入るとよくない」としつこく謳っていましたので、1人1日1枚が妥当だと思います。私は健康に関しては保守的なのです。健康のためなら死んでもいいわけではありません。



≪1湯目:美郷の湯(旅館美里)≫

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静かな雰囲気


最初の温泉です。ここは乳白色の硫黄泉ということで喜び勇んで訪れたのですが、どうやら時間帯によって透明のこともあるようで、残念ながら私が行った時は透明でした。しかしここの温泉、すごくよかったです。

入ったのはまだ午前中で、お客さんは他に誰もいません。簡素な露天風呂でシャワーのような近代設備もなく、木々に囲まれた昔ながらの佇まいです。そして耳に聞こえるのは湯の注ぐ音のみ。

ゆっくりと首まで湯に浸かり、全身で大地の熱を受け取ると、血と肉が活発になってざわざわしてきますが、心と首から上は静かなまま。ふと見ると、透明なお湯の表面から休むことなく湯気が生じていて、私の存在には目もくれず、木々の間から差し込む光に沿って上昇して太陽を目指すものの、竹垣を越えたあたりで空気に溶けてしまいます。

なんというのでしょう、大自然の整然とした摂理、そこから感じる穏やかさ、それらが五感を通じて心身に沁み込んできて、正午を知らせる「グリーンスリーブス」が遠くから流れてきたときにはもう感極まって泣くかと思いました。

普段は長く湯に入らない私ですが、ここには1時間近くいたのではないでしょうか。本当にいい湯でした。



≪昼食:味処なか≫

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お昼を回ったので食事にしようと、目に留まったお店に入りました。ここで注文したのが、「だご汁と地鶏めし」です。だご汁は熊本名物だそうです。これがボリューム満点で大満足でした。観光地の食事は高くて量が少ないという偏見を持っていましたが、そんなものは雲散霧消しました。

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あと先程の旅館美里の前に煎餅屋があり、そこで買って食べた「柚子胡椒マヨネーズぬれおかき」がめちゃくちゃ美味でした。おかきは温かくて柔らかく、甘辛いたれとぴりっとした香りのマヨネーズの組み合わせが絶妙で、もうとろけそうでした。黒川温泉、食まで最高。



≪2湯目:美人湯(いこい旅館)≫

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続いてやってきましたのは、いこい旅館。旅館の外に誰でも好きに休める囲炉裏が設置してあり、粋だと思いました。

ここの温泉は段々の2階層になっていて、1階部分が男湯で2階部分が女湯でした。もちろん私が入ったのは1階の男湯です。そこには打たせ湯があり、その湯は当然上から落ちてきます。そして上にあるのは何かというと、女湯です。つまり、美人湯とは美人のエキスが溶け込んだ打たせ湯のことかと勘繰りましたが、そんなわけはないですね。

温泉場を流れる川を見下ろしながら、マッサージ感覚で打たせ湯を背中に浴び、夢心地でそろそろ上がろうかと思ったところ、壁に温泉の効能が書かれた能書きを発見しました。視力が悪いので近寄ってまじまじと読みましたが、書いてある内容についてもまじまじと読んでしまいました。そこにはこうありました。




効能:ヒステリー




初めて見ました、ヒステリーに効く温泉。これは自らの意思で入るというよりも他人から「あそこの温泉といいらしいよ」と勧められるパターンが多そうな効能ですね。そして勧められて入った人が能書きを見て「わたしがヒステリーってことなの!?」とヒステリーを起こすかと思いきや、温泉のおかげでヒステリーが抑えられているので無事に済むという、よくできたシステムなわけですね。なるほど。



≪3湯目:洞窟風呂(新明館)≫

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最後は川沿いにある宿で、その温泉は宿の主が自分で崖の斜面に掘ったという洞窟風呂だというのです。これは冒険心がくすぐられますよね。

洞窟の入り口で脱衣し、中に入ろうとしますが、暗い上に湯気の立ちこめ具合が半端なく、ほとんど前が見えません。なんとか足元に気をつけ壁を伝いながらお湯までたどり着き、ひとたび入ってしまうとそれはもう極楽でした。湯に浸かって視線が低くなると気付くのですが、湯気は上の方に溜まっていて、腰より下は全然クリアなのでした。火事の時は姿勢を低くするという理由をまざまざと見せつけられた心地でした。

十分堪能し、服を着て外へ出ると、それはそれで解放感で気持ちの良いものでした。さあ行くかと歩き出そうとしたとき、洞窟の入口に注意書きがあるのを見つけました。入るときは気付かなかったのですが、改めて読むと驚くべきことが書いてありました。




・一人では入らないようにしてください。




お、遅いよ!
受付のおっちゃんは私が完全に一人だということを分かっていたはずなのに、何も言ってなかったじゃないか…。しかし一人で入ると危険だとは、やはり冒険でしたね。私のことを勇者と称えてくださってもよろしいかと存じます。



以上で湯めぐりは終了し、再びバスに乗って空港まで行って飛んで帰りました。いやあ、よかったですよ、黒川温泉。24か所すべての温泉に入るとパーフェクト賞がもらえるそうですので、達成するにはあと7回行くだけですね。さすがに首都圏在住の私には厳しいですが、ユニークな試みだと思います。こうやって今後も全国の温泉シーンが一層熱くなることを期待します(温泉自体はぬるめがいいです)。
by polisan | 2010-01-21 03:00 | 日記
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